お金のお話

日常生活ではタブーになりがちなお金の話を、堂々とむしろ積極的に語るブログです。

マイナス金利は、近代国家経済成長の最終局面なのかもしれない

日銀が当座預金の一部にマイナス金利を適応して大きなニュースになりました。2016年3月4日現在では長期金利もマイナスに沈んでます。先日の10年国債の入札でも利回りがマイナスで決まりましたね。

 

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(参考:日本国債・金利、利回り一覧 | 金利/債券情報 - Bloomberg

 

ほとんどの人が、これは一時的な現象だと思っているのではないでしょうか。まあ、それがメインシナリオなのかもしれませんが、マイナス金利というのは国が衰退するうえでの必然的な結果なのかもしれません。

 

近代国家の経済成長とは、以下のようなプロセスを踏むのではないでしょうか。

 

1.成長スタート:

人口増加とともに経済が発展する。株は上がり、財政は黒字化。インフラがバンバンできて、都市化が進む。成長率と同じように金利は高め。人間でいうと10ー20歳くらい。今のインド。1960年くらいの日本。

2.成長期:

都市化にともない出産率が低下する。その結果、成長スピードが低下。金利は依然として高め。人間でいうと20ー30歳くらい。1980年くらいの日本。

3.停滞期:

生産人口が低下し始める。株はピークから下がり始めるが、それを一時的な不景気だと思い込み財政政策や金融緩和。緩和により金利は低下。人間でいうと30ー35歳くらい。体力の衰えを認めたくないのでドラッグで元気になる。1990年くらいの日本。今の中国。

4.バブル期:

資産価格が上昇する。停滞期から復活したかに思われる。経済成長するがそのわりに金利は低く抑えられる。人間でいうと30-40歳くらい。緩和ドラッグでハイになってる状態。2000年代のアメリカ。1990年くらいの日本。

5.バブル崩壊期:

バブルが崩壊する。さらなる財政拡大と金融緩和で経済を下支えする。事実上の財政ファイナンスで財政赤字中央銀行のバランスシートは膨れ上がる。金利はゼロ。人間でいうと40-50歳くらい。ドラッグの後遺症に苦しむ。今のアメリカ。ちょっと前の日本。

6.衰退期:

人口が減少し始め潜在成長率がマイナスになる。人口増加も経済成長も期待できないが、金利もマイナスになり財政はマイナス金利によって改善さえる。人間でいうと50歳以上。本格的な老化の始まり。今の日本、ヨーロッパ。

 

金利がプラスの時代は脅迫概念のように経済成長を求めていましたが、マイナス成長になればそうではなくなります。預金も含めて、全ての資産の価格は下がります。でも、それでいいのかもしれません。預金や貨幣の価値はりんごが腐るように小さくなればいいのかもしれません。人口が減り経済活動や貨幣経済が小さくなれば、地球環境はその美しさを取り戻すのではないでしょうか。