お金のお話

日常生活ではタブーになりがちなお金の話を、堂々とむしろ積極的に語るブログです。

副業とかで不動産投資している人っているけど、はっきりいってリスク高すぎだと思う。

副業で不動産投資をしている人がいると思います。ざっくりいうと、彼らは銀行やノンバンクから借金をして、不動産を購入しそこから得られる家賃で収入を得ています。果たして、これって儲かるのでしょうか?

 

東京都心のマンションの表面利回りは、現状ざっくり5%ほどで取引されています。つまり1億円のマンションで年間500万円の家賃収入が入る計算です。1億円なんて普通のサラリーマンはもっていないので、ほぼほぼ全額金融機関から借りて返済します。

 

毎月の家賃収入の一部から借金の返済をしていくので、いずれ借金は返済されあとは、チャリンチャリン家賃収入を楽しむなり、途中で売却して大儲けするなりを想定して皆さん投資しています。ところで、これって本当に儲かるのでしょうか。

 

表面利回り5%とか聞くとあたかもすごく割のいい投資に見えるし、金融機関から借り入れできるならレバレッジも効いてかなり儲かるように思いますが、実際に5%で運用が保証されているわけでは当然ありません。この5%というのは家賃収入が変わらず入ってきて、購入額と同じ金額で売却できるという前提の利回りです。これはあまり現実的な想定ではありませんよね。

 

当然ながら、不動産は築年数が長くなれば家賃は下がり、マンション価格も下落します。もちろん、物件によっては上がる可能性もなくはないですが、築1年のマンションと築10年のマンションとでは同じ条件でも、後者の家賃のほうが低いと考えるのが妥当ですから、基本的には下がることを想定するのが自然かと思います。

 

では、どのくらい下落するのでしょうか?以下のサイトを参照してみてください。東京も大阪も愛知も築年数が20年くらいまでは、経年に比例して下落して、そこからはあまり下落しなくなるというような傾向がみられます。

smtrc.jp

 

この下落傾向を加味した利回りを計算してみましょう。東京では最初の20年で坪単価が43%ほど下落しているので、最初100だった不動産価格が20年かけて57に下落し、そこから一定となるという前提を考えました。家賃の価格は常に不動産価格の5%としています。

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 そのときの不動産価格で売却できたと仮定すると、保有期間ごとの利回りは以下のように計算できます。不動産価格は下落し、それにともない家賃収入も下落するという仮定なので、表面利回りよりもかなり小さな利回りになってしまいます。

保有期間 利回り
5 2.76%
10 2.63%
20 2.35%
30 2.85%
40 3.09%

 

「5%よりも低いけど、利回りとしては十分高いではないか。」という人がいるかもしれませんが、これはあくまで空室リスクがなく追加の修繕費がかからないという前提ですので、実際には保有期間が長いほどリスクをとっていることになります。さらに借入金で購入するとなると金利がかかります。不動産投資をしている人にはおなじみのスルガ銀行でさえ、現状では変動で2%台というのは難しいかと思います。

 

空室リスクや物件リスクに加え、金利リスクも気になります。ほとんどの投資家は変動金利で借りていると思いますが、金利が高騰した場合に返済金額が跳ね上がる可能性もあります。レバレッジをかけているだけにその影響は小さくないかもしれません。

 

家賃収入よりも返済金額のほうが大きくなってしまった。。売却したいけど売却額が借入金に届かない。。。なんてこともありえます。個人的にはリスクが高いのでやる気になれません。

 

ディスクレーマー:この記事はなんらかの投資を奨励しているわけでもなく、情報提供を目的としたわけではありません。簡易な計算で著者の見解を示したにすぎませんので、情報の正確性についても全くもって保証していません。したがって、ここにある情報をつかった投資でいかなる損失があったとしても、責任はもちかねますのでご注意ください。投資は自己責任でお願いします。