お金のお話

日常生活ではタブーになりがちなお金の話を、堂々とむしろ積極的に語るブログです。

預金封鎖は今心配することではないんで、全然焦ることないです。

NHK預金封鎖についての番組を特集したことが話題になってます。それをまたやるんじゃないかって心配する人が居ると思いますが、そんなことすぐには起きません。あっても、だいぶ先の話です。


NHK NEWS WEB “預金封鎖”の真実

 

特集にあるとおり、日本でも終戦後に一度預金封鎖をしました。あんまり知られていませんが。今は、当時より酷いくらい日本の債務が膨れ上がってますから、心配する人もいるかもしれません。でも、まだまだ心配することないですね。普通に考えればわかることです。

1.預金封鎖とかやったら損です

当時は、第二次世界大戦でフルボッコにされたあとですから、日本は国としてむちゃくちゃな状態で、弱小後進国でした。どんな無茶苦茶なことをやっても、世界的なインパクトなんてありません。だからできたんです。ところが今は違います。今の日本は、世界3位の経済大国で、国際金融市場でも一定のプレゼンスがあります。預金封鎖なんてしようものなら、金融市場へのインパクトがしゃれになりません。日本に口座を持つ海外企業も数えきれないんですよ。さすがに影響がでかすぎるので、あの時のように簡単には預金封鎖なんてできません。

経済的なインパクトやオペレーションの負荷とは別に、法治国家としての国際的な信用問題もあります。敗戦直後の、まだ日本国憲法も発行されてない状態の日本には、国際的な信用なんてなかったし、捨てるものなんてほとんどありませんでした。しかし、いま預金封鎖とかして、あれ?あの国は財産権というのもまだ確立されてないのかな、やべー国だな、って感じになったら今まで築き上げてきた日本の信頼をがた落ちにさせます。そんな事簡単にできるわけありません。

2.国の債務はだましだましやる

預金封鎖をしたときの混乱を考えたら、今のように騙し騙し借金を継続しながら進める方がマシです。国際的な信用も(ある程度)保ち、国民の財産権も侵害する必要もないわけですから、それがベターに決まってます。うまくいけば、すごーく遠い将来に、経済が再び成長し、少子高齢化が改善して負債を減らしていける可能性もあるわけですから。簡単にハードランディングできるほど、日本は小国ではなくなったってことです。良くも悪くも。

3. 預金封鎖がおきるとしたら、なにかの事件のが起きてから

預金封鎖は今後ずっと起きないかというと、実はそうではありません。日本政府が決断しなければならない可能性もあるのです。ただそれは、預金封鎖しなければならなくなる事象がおきた場合に限ってです。

たとえば、預金封鎖をおそれて、みんなが預金を下ろそうと銀行に殺到して取り付け騒ぎがおきたとします。その規模があまりに大きいと当然ながら大混乱がおきます。金融市場は麻痺し、銀行が国債を買えなくなり、政府は資金を調達できず、債務不履行の現実味が高くなります。そうすると、日本から資金が流出し、それがとめどなく進むと、もうにっちもさっちもいかなくなります。そしたら、預金封鎖に踏み切るかもしれません。

つまり、預金封鎖をしたほうがマシというような、大混乱がおきなければ、預金封鎖なんてやるだけ損なんですよ。

4.そんな決断力ありません

とは言っても、日本がこのままだましだましやりながら、債務をへらせるとは思わない、なんらかのハードランディングがおきるのではないか、という意見もあると思います。ごもっともです。ただしそれは、マーケット主導のインフレとかが現実的だと思います。政府がなんらかのハードランディングな施策を強行することはないと思います。

理由は、単純で、そんなデカいことやる決断力が政府にないからです。消費税上げるのでさえ、うだうだいいながらここまで引き伸ばしました。んで、結局10%にするのは、延期までしました。そんな国が自主的に債務を解決する決断なんてできるわけがありません。そんあ決断力がないからこそ、ダラダラと借金を重ねきてしまったんです。

5.何かが起きたら迷わず逃げる

ですので、当分の間、預金封鎖はありえないと思います。ですが、なにか起きた場合には、すぐに決断して果敢に行動しましょう。強烈なインフレに襲われたり、キャピタルフライトが激しくなったら、もたもたせずに逃げましょう。なにも起きない限り、なにも起きませんが、何かが起きたら何かがおきます。そう覚えておくといいと思います。