「金融のプロ」のほとんどは、金融の基礎さえしりません。いうことなんて聞いてたらダメです。
僕は、誰もが知っている有名な銀行や外資系投資銀行に勤めた経験があります。そこで、学んだ一番のことは結局のところ学歴なんか関係ないんだという事と、ほとんどの人は金融の基本的なリテラシーでさえ身につけていないんだとうことです。だから、金融機関に務める人のアドバイスなんて、聞く耳をもたないほうがいいと思います。
■ 外資系金融機関の人材
僕が外資系投資銀行に勤めていて、とても驚いたことは、かなり多くの人に金融リテラシーがなかったということです。例えば、債券を売る若手セールスマンは何百億もの取引を手がけていながら、金利リスクのキの字も知りません。2年債と5年債のリスクの差さえもわかりません。単に、英語ができて、こき使われるのが得意な若手だらけだったのです。それでいて、同学年の人に比べて驚く程大きな給料を貰っているのを知ると憤りさえ感じます。たとえ、友人であっても彼らの言うことなんて聞かないほうがいいでしょう。投資はあくまで自己責任だと認識して行いましょう(ちなみに言うと、長く生き残っているベテランや日系から転職組には比較的ちゃんとした人が多いように感じました。)。
■ 日系金融機関の人材
かといって日系金融機関が優秀かというと、実のところそうでもありません。日系金融機関の大手には、やはり優秀な人はいますが、普通のファンドマネージャーなんかは、たいていオツムがたりません。これには驚きます。大手信託銀行の40代のファンドマネージャーは金利デリバティブについて全く知識がないのにもかかわらず、かなりのエクスポージャをもっていたりしました。
さすがにメガバンクなどのファンドマネージャーは金融工学を理解して、なかなか優秀な人も多かったのですが、応用が効かず現実的な意思決定をする能力はありませんでした。たとえば、彼らは市場は金融工学の完備市場であるという前提で物事を考えたりしていますが、そんな前提なんてちょっと考えれば当てはまらないし(大手である自分の取引はマーケットインパクトを与えるし、アービトラージはときに存在しているし、流動性がない場合には価格がつかないことなんて普通にある・・)、そういう前提で自分が議論をしていることさえわかっていなかったりします。
ですので、ファンドマネージャーに金融工学のお勉強を教えてもらう上では悪くないかもしれませんが、現実的な金融市場をちゃんと教えてもらえるのは難しいのではと思います。
■ アクティブ投信には投資しないようにしよう
レストランにもおいしいところとまずいところがあるように、金融マンにもちゃんとしたプロフェッショナルと基本的技能のないど素人がいます。ですので、プロだからといって難しいことを任せるとひどい目にあいます。
痛い目にあわないためには、彼らの言うこと信じないことにつきます。たとえば、彼らが運用でアクティブ投信を勧めてきたら、彼らの知識がないか手数料を稼ぐためにあなたを騙そうとしている、のどちらかと考えるほうが無難です。
たいていのファンドマネージャーなんて大した知識もなくギャンブルのような投資をしています。もちろん、たまたまうまくいくケースもありますし、なかには優秀なひともいるかもしれません。ですが、それらに対して払う信託手数料は高すぎてはなしになりません。過去の研究によると、アクティブ投信はパッシブの成績を上回っていないとのことです。運用は基本的にパッシブにするほうが手数料がやすく無難だと考えます。
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